⚫︎夏休み中に書いてもらったブログを公開します⚫︎
こんにちは、ゆいです。夏休みが始まって一ヶ月、今は来年度の旅行のお金をためるためにバイト漬けの毎日をおくってます。某ブランドのアパレルの仕事をしているのですが、販売員ってお客さんが来ない時、すっごく暇なんです。そんな中でUPCについて色々考えたことがあったので(+りさのブログいいなーと思ったので参考にして:))今日はそれについて書いてみようと思います。一つの体験談としてなんかつぶやいてるなーって思って読んで頂けると幸いです。
【勉強】
言うまでもなく、学習面で学んだことはほんとに沢山あったなと、終わってから益々気づかされます。でも意外にも、習った時はなんてことないなって思っていたもの程、後になってその意味に気づいたり、深く考えたりすることがあるんですね。例えば今まで読んだことない小説のジャンルを読んでみて自分の考えと向き合ったり、ニュースで出てくる統計について自問自答してみたり、あの時先生が言っていたのはこのことだったのか!と気づく事がこの一ヶ月の中でたくさんありました。地理で iconic architectureを学んで、それは ‘new cultural clothing of advanced capitalism’ (先進資本主義の文化的な仮面) (Hall and Barrett, 2012, p.613) 、つまり ’iconicity’ というものは人とお金を集中することによって資本を作り上げるための偶像崇拝にすぎない、という事を二学期に学んだのですが、もう最近全部それに見えてくるんです。今のアパレルの仕事も new cultural clothing of advanced capitalismだと思いながら毎日頑張ってます笑。例えば、店頭の商品配列とか、ブランドのロゴ、形式ばったサービスとか。私、今まで学問って新しい物を学ぶことによって自分の成長を助長するものだと思ってたんですね。言い換えれば見たこと聞いたことを全部そのまま受け入れていたんだと思います。でもこの一年で、学びって社会や自分を見つめなおすきっかけになるんだなと感じました(これがcritical thinkingなんでしょうか)。高校の政経の先生が「学びは心のざらざらを増やす」とよくいっていたのですが、ほんとにUPCは社会のなかであれ?と思う事を増やしてくれた、心のざらざらを増やしてくれた、と身に染みて感じます。
【人間関係】
勉強と同等、又はそれ以上に、人との関わりについてもほんとに沢山の事を学んだ一年でした。私イギリスに行く前は、友達と距離をとるタイプだったんです。友達と距離が近くなることで生まれる束縛間が面倒くさかったり、変な気遣いをして疲弊するのが嫌だったのだと思います。そういう友達付き合いに自分でも満足していたし、母親と仲がよかったので別にそんなに親密な友達がいなくても毎日楽しく過ごせてました。でも、イギリスではそんな、なんでも話せる家族がいない。だから最初の方は寂しくてホームシックになることも多々ありました。でもそんな中で、家が近い(あと夜遅くに帰っても何も言われない!)だからこそ、友達と夜遅くまで飲んだり食べたり、勉強したり、変なことしたりして、自分の中で友達との距離がどんどん近づいていきました。それにみんなそれぞれの国から単身で来て、同じコースで学んでるから、なんか嫌なことがあってもみんなも同じだし、それを共有できて、だからなんか頑張れる。居心地が悪ければ寮に帰ればいい。そんな遠慮のない親密な関係が自分ではとても心地よく感じました。友達とこんなに近い関係を持ったのは初めてなので自分でもびっくりしているのですが、家を離れたからこそ、今までにない友人関係を築けたと感じるし、それをとても楽しめた一年でした。
【文化の違い】
上で書いたことと付随するところはありますが、私は最初、日本人や東アジア人といる方が気が合うし、居心地が良いと感じていました。色んな人といると、どうしてもこれ言ったら失礼じゃないかなとか色々考えてしまったり、やっぱり今までいた国が違うと共通の話とかもしにくいと思っていました。でも、全く違うバックグラウンドの人達と毎日を過ごしていく中で、そんな文化や経験の違いに慣れるというか、気にならなくなったんですよね(これがconvivialityですかね)。文化の違いに関わらず、日々お互いから学び合うのを楽しんだり、同じ困難を乗り越えることが、何よりも刺激的で楽しくて、気づいたら今までどこにいたのかなんか気にしなくなっていました(一方的だったら悲しいです、少なくとも私はそう思っています笑)。それに、なにか違いが気になることがあったとしても、まあそんなもんか。と受け流すことができるようになったんです。私、(racismというわけではないですが)それが何故か日本人同士ではできなかったんですよね。なんか合わないところが出てくるとそれしか見えなくなる。共感を求めすぎていたのかもしれないです。でも、この一年で色々な人に出会ったからこそ、自分自身の人を見る目が変わった気がします。違いがあっても、それを非とするのではなく、その人の個性として楽しめるようになりました。いつもと違う事に出会うことによって、学ぶことも沢山あったし、私の人との関わり方に変化がでてきたことと同時に、自分のちっぽけさを痛感しました。留学生が多いことの特権ですかね。親元からでて、UCLという環境にいたから、新たな人間関係と、そこから新しい世界の見方を築けたと感じています。
こんな感じで勉強は大変でしたが、勉強も他のことも存分に学び、それを楽しめた一年でした。振り返れば、このUPCの一年が(まだ学部に行ってませんが)今までの人生で一番楽しかったです。なんだかついさっき、テレビでマルクス・ガブリエルというドイツの哲学者が言っていた言葉が身に沁みます。
経済というのは、未来予測と論理と数字が物を言う世界だ。だがその合理性と利益の追求のせいで、自由と偶然から成る人間の「存在」が失われつつある。
(なんかこんなこと言ってたなと思い出しながら書いたので引用ではないです。)
経済ではないですが、なんか自分にすごく当てはまるなと思います。今までは中学に入ったら高校、高校に入ったら大学、大学に入ったら就職などと、未来のことだけで頭が一杯になってたなと思って。そんな感じで将来の事ばかり考えていたから、自分の未来の投資に使わないことは無駄に感じたり、目先の数字ばっかりに気を取られていたり、せっかちな毎日を送っていたと感じます。言い換えれば、将来の利益だけに目が眩んでいたんだと思います。だからこそマルクスの言葉を借りれば、今ある「自由」や「偶然」が楽しめてなかったなと(今の、特に旅行のためにバイトをしている自分もそうですが)。でも、UPCで、受験の為の勉強じゃなく、自分知りたい学びを探求したり、世界中の人たちに出会ったことで、今自分のしている事と、今自分の周りにいる人をすごく大切にできるようになれたと思います。それってすごく幸せなことだったし、そこから学ぶこともたくさんあったなと終わってから実感しています。
なんだか長くなったし、最後は反省文みたいになってしまいましたが、以上、バイト中の回想録でした。バイトのことをディスりまくりでしたが、そんな暇な時間で先輩の人生経験とか聞いたり、それはそれで楽しくやっています笑。最後までありがとうございます!
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