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Risa Hanai

【三学期を振り返って】りさ編(ファンデ生)

ロンドンの街を歩きながら、ふと感慨深くなる瞬間があります。ここにはWaitroseがあって、あそこは友だちがいつもテイクアウトしている軽食屋さんで、もう少し進むと大きなロンドン大学の寮があって。角を曲がって進んでしばらくしたら、いつも皆でとりあえず立ち寄るマックもある。街を歩くだけで、過ごしてきた日々が思い出されるみたいです。そうして、ロンドンの街が少しずつ自分の日常の一部となっていたことに、少し感動します。


3学期はとてつもなく早いスピードで過ぎていきました。最後の期末テストの成績が全体の40-50%を占めているため、結構真剣に勉強する必要がありました。それでも、1学期からの内容を順に追いながら勉強すると、改めて発見できることがあるので、楽しかったです。


例えば、MEHP(Modern European History and Politics)の授業の中に、考えさせられたTed Speech があるのを思い出しました。

Ivan Krastevさんの、Can democracy exist without trust? というスピーチです。


  • 民主主義は論理的な議論に基づいて考えを変化させていくことである。だから政治における日和見主義を排除すれば、民主主義も失われてしまう。

  • 善は同時に悪である。このような物事の不確実性を把握することは、政治分野において非常に重要である。


政治家を批判する際に、選挙のときに言ってたのと全然ちがうじゃないか!とか、裏で何こそこそやってんだ!とかいう話になりますよね。その批判は至極まっとうなものだと思います。でも、透明性や一貫性を重視し過ぎた余り、民主主義の特色である柔軟性が失われかねないことは、盲点でした。


このスピーチでは最後に、ゲーテの格言を引用しています。

“There is strong shadow where there is much light.”


光と闇が表裏一体であることを、私は政治以外の部分でも痛感するわけです。イギリスに旅立つ前、私は大学生活にはポジティブな印象しか持っていませんでした。イギリスに正規留学した先輩たち全員が輝いて見えたのだから、自分も当然その光の中に足を踏み入れるとばかり思っていました。イギリスの歴史ある街並みをゆっくり歩いたり、ちょっと贅沢して多国籍な食文化を楽しんだり、パブで友だちと飲み明かしたり(イギリスでは18歳から飲めます!合法です!)、そんな生活を思い浮かべていたのですが、こっちに来てしばらくして、気が付きました。「なんか私、ずっと勉強しかしてないぞ、、、?」。

私は高校時代、受験と生徒会長と部長が重なって(というかどれも譲れなくて)、平日はずっと寝不足だった思い出があるのですが(ちなみにいろんなことを楽しめるいい経験でした!)、そこで鍛えたストレス耐性にも限界が来たほど、アカデミックな部分でのプレッシャーが大きかったです。単に負けず嫌いだから自分自身でプレッシャーを負わせていた部分もあります。ただそれ以上に、私の専攻のPolitics&International Relationsは、合格確約のされていない学部だったので、ここでいい成績を残せなかったら落ちるかもしれない!と、出願が終わる1学期の最後まではずっと張り詰めた状態でしたね。

しかも、インスタをちらっと見ると、高校の同級生がすごーく楽しそうに再会の様子を載せているんです。しかも再会の頻度も尋常じゃなく多い。もちろん、ファウンデーションコースの友だちとも仲良くなれました。みんな努力家で、一緒にいると楽しい、素敵な戦友のような関係です。でも、その子たちとの間では、高校で当たり前だった友だちとの心理的な距離の近さが無い。そこに、どうしようもない淋しさが生まれてくることもありました。国際色豊かな友だちの中で、なんとなく疎外感や孤独感を感じた時、ふと夏目漱石の「こころ」の先生という登場人物が、文化的な過渡期に、個人主義の流入による淋しさや孤独感を感じたことを思い出しました。文化の違いって、ときにはとてつもない負担になるみたいです。

私は先生ほど深刻に悩んだわけではないですが、友だちから誕生日に松岡修造のポジティブマインドが詰まった日めくりカレンダーをもらうほどネガティブなので、「帰りたい」「日本の大学に行けばよかったのかな」「高い学費でこんなとこまで来させてもらって、結果を残せなかったらどうなるんだろう?」と、後悔のような黒いもやが晴れないこともありました。

でも「別にどの道に進んでも、どうせ後悔する」。この高校の国語の先生のネガティブ発言にに逆説的に励ましてもらいながら、1年やってこれました。

なんか暗ーい話に見えますが、総じてすごく充実した楽しい1年でした。毎週金曜には皆で集まってパーティーをしたり、弾丸でヨーロッパに旅行したり、日々の息抜きや友だちの存在は光そのものでした。こうした光は、普段の勉強の大変さに対比して増していくものだから、それらの大切さを身に染みて感じられたという点でも、勉強をがんばって良かったです。先輩たちから、学部はもっと忙しいと聞いたので、ファウンデーションコースで培ったことを、その名の通り土台にして、がんばっていきたいです。また、ファウンデーションコースを経て仲良くなった友だちと、これからも定期的に集まりたいです。


3学期のテストの結果が返されるのは、コース修了後1カ月後の7月後半なので、気長に待ちたいと思います。


お読みいただきありがとうございます。


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